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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻8号

1990年08月発行

文献概要

認定医講座

骨格筋の構造と機能

著者: 埜中征哉1

所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所微細構造研究部

ページ範囲:P.951 - P.956

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I.ヒト骨格筋の光学顕微鏡像
 骨格筋細胞(筋線維)は細長い多核の細胞である.筋生検をして病理学的に検索する時は筋の横断面を使用する,最も頻度高く生検される上腕二頭筋,大腿四頭筋,腓腹筋の横断面をみると,円形ないし多角形の筋線維が数10ないし数100本集まって筋束(muscle fascicle)を作っている(図1).筋束の周囲の結合織は,周鞘(perimysium)と呼ばれ,この周鞘の中には筋紡錘(muscle spindle)や末梢神経束がみられる.
 個々の筋線維は成人では直径60μm前後で,ごく軽度の大小不同をもつ正規分布を示す.筋線維径は年齢によって異なり,新生児では10μm前後である,筋線維は多核で,筋の横断面をみても,1本の筋線維内の辺縁に複数の核をみることができる.正常人ではほとんどすべての核は筋鞘膜下にあり,胞体の中心部(中心核)はみられない.中心部に核をみるのは胎児期の筋と,筋緊張性ジストロフィー,再生筋,ミオチュブラーミオパチーなどの病的筋の時である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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