文献詳細
文献概要
臨床経験
手指全CM関節脱臼の1例
著者: 杉浦英志1 杉浦昌1 片岡祐司1 佐々木哲1
所属機関: 1市立岡崎病院整形外科
ページ範囲:P.995 - P.999
文献購入ページに移動症例は22歳,男性で,オートバイ運動中ワゴン車と衝突し受傷.X線所見にて左手全CM関節の背側脱臼を認めた.全身状態が不安定であったため徒手整復を行い,ギプス固定とし10週間の固定後積極的な後療法を開始した.受傷後6ヵ月の現在では,左手関節,手指のROM制限や疼痛もなく,ADL上特に支障はない.本症例において,第2-第5CM関節の背側脱臼は,ワゴン車と衝突した際,手関節をやや掌屈位にて急ブレーキをかけ,この時,中手骨頭部に強いインパクトを受けた結果,中手骨基部に背側方向へのcounter forceを生じたためと考えられた.また,第1CM関節の背側脱臼は指間部のハンドルバーによる直達外力が原因と思われた.
掲載誌情報