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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科25巻9号

1990年09月発行

文献概要

論述

頸椎黄色靱帯石灰沈着症―病態と臨床像

著者: 馬場久敏1 富田勝郎1 川原範夫1 菊池豊1 中橋謙次1 梅田真一郎2

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科学教室 2梅田整形外科

ページ範囲:P.1021 - P.1029

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 抄録:頸椎黄色靱帯石灰沈着症の7症例で6例に手術を行い,その病態と臨床像について検討した.対象は全例女性で,年齢は63~75歳(平均72歳),3例には糖尿病,1例にはネフローゼ症候群の合併がみられた.石灰沈着部位は中下位頸椎に多くみられ,単純X線像では,脊柱管後方で椎弓間内側に淡い石灰化陰影として認められた.CTでは,黄色靱帯のinterlaminar portionの中央部で,辺縁が明瞭な卵円形の像として描出された.脊髄症状を認めた6例中,5例に椎弓切除,1例に椎弓形成術を施行した.石灰化巣は硬膜との間に癒着はなく,病理組織像では,変性した弾力線維間にamorphousにできた肉芽組織内に石灰沈着を認めた.石灰化巣のX線回析で4例にCPPD結晶が証明された.病理所見や画像所見などから,黄色靱帯石灰沈着症はCPPDcddなる疾患概念で検討する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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