文献詳細
文献概要
論述
CT-myelographyからみた頸髄症の術後改善率の予測
著者: 小柳貴裕1 里見和彦1 朝妻孝仁1 戸山芳昭1 藤村祥一1 平林洌1 浜野恭之2 白石建2
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室 2済生会宇都宮病院整形外科
ページ範囲:P.3 - P.10
文献購入ページに移動頸髄症103例(CSM 44例,OPLL 39例,CDH 20例)の術前CTMにおける脊髄面積,脊髄扁平率を求め,これらの値に加え,年齢,罹病期間,術前JOAスコア,改善率を検討項目とし,各々の相関を求めた.また,改善率を目的変数とした重回帰分析を行い,術後改善率の予測式を作成しようと試みた.その結果,脊髄面積は,術前JOAスコアとよりも術後改善率との相関の方がより強かった.CSMとOPLLでは改善率は罹病期間,脊髄面積と強い相関を認め,この2つの項目による適当な予測式が試作できた.一方,CDHでは,適当な予測式は存在しなかった.結論としては,脊髄面積は術前の重症度よりも,術後回復の可能性を表す指標であり,罹病期間と併せて術後改善率をある程度予測できる.
掲載誌情報