icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

論述

CT-myelographyからみた頸髄症の術後改善率の予測

著者: 小柳貴裕1 里見和彦1 朝妻孝仁1 戸山芳昭1 藤村祥一1 平林洌1 浜野恭之2 白石建2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室 2済生会宇都宮病院整形外科

ページ範囲:P.3 - P.10

文献購入ページに移動
 抄録:頸髄症を来した頸椎症(以下CSM),後縦靱帯骨化症(以下OPLL),椎間板ヘルニア(以下CDH)のCT-myelography(以下CTM)における脊髄横断面の形態を計測し,他の臨床項目と合わせ,術後改善率の予測を試みた.
 頸髄症103例(CSM 44例,OPLL 39例,CDH 20例)の術前CTMにおける脊髄面積,脊髄扁平率を求め,これらの値に加え,年齢,罹病期間,術前JOAスコア,改善率を検討項目とし,各々の相関を求めた.また,改善率を目的変数とした重回帰分析を行い,術後改善率の予測式を作成しようと試みた.その結果,脊髄面積は,術前JOAスコアとよりも術後改善率との相関の方がより強かった.CSMとOPLLでは改善率は罹病期間,脊髄面積と強い相関を認め,この2つの項目による適当な予測式が試作できた.一方,CDHでは,適当な予測式は存在しなかった.結論としては,脊髄面積は術前の重症度よりも,術後回復の可能性を表す指標であり,罹病期間と併せて術後改善率をある程度予測できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら