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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

論述

頸椎後縦靱帯骨化症の自然経過

著者: 松永俊二1 酒匂崇1 武富栄二1 山口正男1 矢崎雄一郎1 富村吉十郎2

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科学教室 2富村整形外科

ページ範囲:P.27 - P.33

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 抄録:頸椎後縦靱帯骨化症における自然経過,特に脊髄症状の出現と増悪の頻度およびその規定因子との関係を知ることを目的として,167名の本症患者について平均6年10カ月の長期的観察を行った.脊髄症状の新たな出現は14%,増悪は6%にみられたが残りの70%の症例は非脊髄症状のまま経過した.脊髄症状の出現・増悪については,骨化の厚さの増大による慢性の脊髄圧迫が考えられるが,靱帯骨化による高度の脊柱管狭窄を呈するにもかかわらず,全く脊髄症状を呈さない症例も存在していた.このような症例では,頸椎の可動域が著明に制限されており,脊髄症状の出現については動的因子の関与も重要であると考えられた.
 本症の治療に際しては,その自然経過を十分考慮に入れるとともに,靱帯骨化による圧迫などの静的因子のみならず,動的因子の関与も十分検討する必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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