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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

椎間板ヘルニア摘出術における黄色靱帯温存の試み

著者: 細川昌俊1 加藤哲也1 横井秋夫1 福井康之1 山下方也1 猪飼俊隆1

所属機関: 1国立東京第二病院整形外科

ページ範囲:P.43 - P.48

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 抄録:Love法の理念は術後解剖学的にも生理学的にも正常状態に復元することにあるが,黄色靱帯摘出による瘢痕形成と椎間関節包の破綻は避けられない.これらの欠点を軽減させる目的で,黄色靱帯と多裂筋を温存する方法を試みた.術式は,仙棘筋は骨膜下に剥離するが,多裂筋は黄色靱帯および椎間関節包からは剥離しない.黄色靱帯を正中および上下の椎弓縁から切離し多裂筋と共に一塊として外側に反転する.ヘルニア摘出後,これらを元位置に戻し多裂筋を棘間靱帯に縫合して創を閉じる.過去1年間に一連の椎間板ヘルニア18例に本法を行った結果,7例は黄色靱帯腹側1/2以内の部分切除で安全にヘルニアが摘出された.部分椎弓切除を要した症例は,すべて黄色靱帯の温存は困難であった.椎弓間を広くし,脊柱管内の出血に留意すれば,椎弓切除を要さない症例の大部分は,多裂筋と共に黄色靱帯背側1/2以上は温存でき,Loveの理念を向上させる術式であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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