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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床経験

硬膜外腫瘤を形成した骨髄腫(IgD-λ)の1例

著者: 藤江秀樹1 松井寿夫1 寺畑信男1 上田剛1

所属機関: 1富山医科薬科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.57 - P.61

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 抄録:52歳,男性.硬膜外腔に腫瘤を形成したIgD-λ型骨髄腫.腰痛,両下肢痛および両下肢知覚鈍麻を主訴とした.入院時血中IgDは5352mg/dl,尿中Bence Jones蛋白陽性,高Ca血症を認め,急性腎不全状態であった.単純X線像では脊椎を含む全身骨に異常所見はなかったが,腰髄腔造影で硬膜外腫瘍像を証明した.MRIは椎体内の腫瘍と連続性を有する硬膜外腫瘍形成像を明示した.腸骨生検組織の免疫染色により腫瘍性形質細胞内にIgDおよびλ鎖を確認した.多剤併用療法を開始後2カ月で血液透析から離脱し,臨床検査成績の改善,硬膜外腫瘤の消失をみた.10カ月後の現在,外来で維持療法中である.IgD型骨髄腫の硬膜外腫瘤形成は極めて稀であるが,本例は骨髄腫における麻痺発生機序に1つの示唆を与えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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