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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床経験

diffuse disseminated Ewing's sarcomaの1例

著者: 川北整1 川原範夫1 土屋弘行1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.63 - P.66

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 抄録:単純X線像では病巣が不明瞭であったが,CT画像で多数の小さな骨溶解像が散在性に認められたEwing肉腫の一例を経験した.症例は,20歳男性で,腰仙部痛を主訴とし,炎症所見が持続した.診断に非常に難渋したが,CT画像で第4,第5腰椎椎体,腸骨,仙骨に多数の小さな骨溶解像が認められ,biopsyによってEwing肉腫と診断された.RosenのT IIプロトコールによる化学療法が開始された後,炎症所見は消失し,画像上病巣周囲に円形の骨硬化像が出現した.本症例は,仙骨を主病巣とし,腫瘍細胞がBatsonの椎骨静脈系を介し,全身骨にdisseminationを来したものと推測された.また病巣周囲の骨硬化像は,化学療法後,壊死組織周囲に正常骨細胞による修復反応が起こったものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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