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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床経験

橈骨茎状突起離断性骨軟骨炎の1例

著者: 小野浩史1 矢島弘嗣1 中田浩司1 玉井進1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.71 - P.74

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 抄録:上肢における離断性骨軟骨炎は,肘関節,肩関節に多く見られる.しかし,手関節では舟状骨や月状骨に数例の報告があるだけで橈骨茎状突起の発生例は見られない.今回,我々は橈骨茎状突起に発生した離断性骨軟骨炎によるde Quervain病を経験したので報告した.症例は39歳,男.職業は製造業(手仕事).手関節の外傷歴はない.平成元年1月より右手関節橈背側に疼痛出現し,6月疼痛軽減しないため当科受診.X線写真にて橈骨茎状突起関節面に遊離骨片を認め,これによる手関節橈側の滑膜炎が背側手根靱帯第1区画へ波及しde Quervain病を併発したと考えた.手術にて骨片切除し,背側手根靱帯第1区画の切開を行ったところ,症状は消失した.橈骨茎状突起舟状骨間関節面は,手関節橈側の荷重集中部分であり,手を頻回に使用することによりここにストレスが集中し,dorsal radiocarpal archの血行障害を伴って離断性骨軟骨炎を生じたと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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