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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床経験

下垂体性無月経に合併した大腿骨頭すべり症の1例

著者: 川原林顯昌1 橋本秀輝1 中山治樹1 張京1 平澤泰介2

所属機関: 1六地蔵総合病院整形外科 2京都府立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.75 - P.78

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 抄録:下垂体性無月経に合併した大腿骨頭すべり症の1例を経験したので報告する.症例は16歳,女性.階段でつまずいた際左股関節に激痛を生じ,歩行不可能となって当科を受診した.身長155cm体重43kgと標準的であったが,乳房の発育,恥毛など第二次性徴,初潮は認められなかった.内分泌学的検査ではLH,FSH,エストロゲンの低値を認めた.急性型大腿骨頭すべり症と診断し,牽引によって整復後,Kirschner鋼線による固定術を施行した.術後7カ月で抜釘を行い,経過良好である.原発性無月経に関してはLH-RH負荷試験にて下垂体性無月経と診断され,ゴナドトロピン療法を行い消退出血,第二次性徴が認められた.本症は男性に好発し,女性では初潮後の発症が認められないことより,発症に性ホルモンが関与していると考えられている.テストロゲンには骨成熟作用があると報告されており,本例の発生にはエストロゲンの低下が関与していると推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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