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臨床経験
股関節に変化を来した大理石骨病の1症例
著者: 井上尚美1 東倉萃1 上田剛1 水野直樹1 小島敦1
所属機関: 1中部労災病院整形外科
ページ範囲:P.83 - P.86
文献購入ページに移動症例は,股関節痛を主訴とした22歳,女性・近親者に同病歴を認めず,12歳時に軽微な外力で右上腕骨骨折の既往を有する.5年間の経過観察中に,X線上,関節裂隙の狭小化,骨頭の変形,嚢胞など関節変化の進行を認めた.股関節周辺の外傷の既往なく,臼蓋形成不全など解剖学的異常を認めないにもかかわらず,変形性股関節症が発症した報告は,文献的に知りうる限りでは,7例である.その機序として,疾患特有の病態に起因するものとし,Cameronらが述べているように,軟骨下骨のshock absorberとしての機能が消失するため,関節軟骨へのストレスが増加し発症したと考えている.
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