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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床経験

人工肩関節再置換術の1例

著者: 松岡秀明1 西島直城1 松末吉隆1 瀬戸洋一1 秋山治彦1 中村孝志1 山室隆夫1 安立良治2

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2安立病院

ページ範囲:P.97 - P.101

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 抄録:我々は,比較的軽度の外傷より人工肩関節再置換術を施行するまでに至った1症例を経験した.症例は,66歳の男性で,肩関節周囲支持組織の外傷を受けた.腱板修復術,上腕骨頭置換術が施行されたが,術後前方脱臼を繰り返したため,人工骨頭が抜去され,flail shoulderの状態で,疼痛が著明であった.我々は,この症例にNeer II型による肩関節全置換術,腱板修復術および三角筋,大胸筋移行術を施行し,満足のいく結果を得た.人工肩関節置換術の結果は,原因疾患の過程および三角筋,腱板の状態によって大きく影響を受けるが,最善の結果をえるためには,正確な術前評価および確実な肩関節周囲支持組織の再建,リハビリテーションが重要である.本症例では,骨頭後捻角が不十分であったこと,肩関節周囲支持組織の再建が確実でなかったこと,などの理由で,人工骨頭の安定性が得られず,脱臼を繰り返し,臼蓋,関節周囲支持組織の破壊を来す,という悪循環を繰り返したものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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