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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻1号

1991年01月発行

文献概要

臨床経験

両側の膝蓋部に石灰沈着を認めたCRST症候群の1例

著者: 宮城登1 多胡秀信1 原理恵子1 向和男1 吉田豊2 竹嶋康人3

所属機関: 1市立釧路総合病院整形外科 2市立釧路総合病院検査科病理 3市立釧路総合病院内科

ページ範囲:P.103 - P.108

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 抄録:CRST症候群は1964年にWinterbauerが全身性硬化症の1亜型として報告した症候群である.両膝の軟部組織に石灰沈着を来し,手術的治療を要したCRST症候群の1例を経験したので報告する.症例は,48歳の女性で,両膝の膝蓋部に板状の硬結と圧痛があり,X線写真では両側の膝蓋部に石灰沈着像を認めた.両手指には末梢性の皮膚硬化,レイノー現象を認め,前胸部の皮膚には血管拡張が存在した.食道バリウム造影では食道の拡張や蠕動低下を認めなかった.両膝の疼痛が持続するため硬結部の切除術を施行した.切除標本は円板状であり,切除面は白色で石膏様であった.組織学的所見では石灰沈着と思われる無構造組織が皮下に散在していた.術後に創治癒遷延傾向がみられ手術創の治癒に3週間を要した.術後1年10カ月の現在,両膝蓋部の疼痛と硬結は消失しており,X線写真上でも石灰沈着の再発傾向を認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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