icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻10号

1991年10月発行

文献概要

論述

外傷性頸部症候群に対する頸椎前方固定術の成績について

著者: 川上守1 玉置哲也1 浜崎広洋1 寺尾賢秀1 岩橋俊幸1 綿貫昭則2

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2角谷整形外科病院

ページ範囲:P.1122 - P.1128

文献購入ページに移動
 抄録:外傷性頸部症候群に対する頸椎前方固定術18例の臨床症状の推移と手術適応決定に用いたdiscographyの有用性について検討した.数回discographyを行った症例では疼痛発現部位,程度に再現性がなく,また,discographyで再現性のみられた椎間以外の前方固定術でも症状が軽快した.つまり,discographyを用いた手術適応決定には問題があり,現時点では前方固定術を行う根拠を他覚的にとらえることができない.手術後短期間の成績は疼痛は88.9%,しびれなどの上肢症状は85.7%,Barré-Lieou症状は76.9%が軽快ないし消失していた.しかし,平均6年4カ月の調査時の成績は,疼痛,上肢症状は50%,Barré-Lieou症状は46.2%が不変で,約半数が愁訴を有し,決して満足のいく結果ではなかった.従来,愁訴特に疼痛を他覚的にとらえる方法としてdiscographyが用いられてきたが,今回の結果から,discographyによる疼痛再現性の有用性と本症に対する手術適応には疑問のあることを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら