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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻10号

1991年10月発行

文献概要

シンポジウム 脊髄損傷の神経病理とMRI画像

頸髄損傷のMRI画像と臨床像

著者: 森英治1 芝啓一郎1 香月正昭1 白澤建蔵1 大田秀樹1 力丸俊一1 加治浩三1 比嘉頴秀1

所属機関: 1総合せき損センター整形外科

ページ範囲:P.1163 - P.1171

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 抄録:受傷後10日以内に初回MRI撮像を行い,さらに経時的に撮像が可能であった頸髄損傷例を対象として,主にT2強調画像を中心とした画像所見と臨床像を比較検討した.対象は42例,平均年齢46.5歳,初診時完全麻痺14例,不全麻痺28例であった.
 初診時初回撮像時のT2強調画像を次の3群に分類した.I群:損傷脊髄部に低信号領域を示す像.II群:低信号領域は認められず高信号領域を示す像.III群:信号変化を示さない像,低信号領域を示したI群の10例中8例までが完全麻痺のままであり,他の2例の不全麻痺例も重症であった.高信号領域を示したII群の25例中22例は不全麻痺であり,その多くがFrankel分類の1段階以上の回復をみた.信号変化を示さなかったIII群の7例は麻痺も軽度であり,その予後も最も良好であった.急性期における損傷脊髄部のT2強調画像低信号領域は予後不良の徴候と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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