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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻10号

1991年10月発行

文献概要

シンポジウム 脊髄損傷の神経病理とMRI画像

慢性期外傷性脊髄損傷のMRIと臨床像

著者: 飛松治基1 二瓶隆一1 木村哲彦1 矢野英雄1 陶山哲夫1 飛松好子1 巣山直人1 吉野恭正1

所属機関: 1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院整形外科

ページ範囲:P.1173 - P.1182

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 抄録:頸髄損傷125名,胸髄損傷70名の計195名の慢性期外傷性脊髄損傷のMRI所見について,脊髄の病変と臨床像を比較検討した.脊髄内の信号の変化は,信号の変化なしの5名とT1強調画像で等信号を示した2名以外は,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を示し,gliosis,myelomalacia,空洞形成が示唆された.脊髄の病変は,小病変型,大病変型,完全横断型,断裂型の4型に分類でき,外傷・麻痺の重症度とよく平行していた.完全麻痺例では,頸髄損傷は腫大化した完全横断型,胸髄損傷は断裂型か細小化した完全横断型が多く,麻痺の高位と病変の高位はよく一致していた.不全麻痺例では,脊髄内に限局性の病変が認められ,その所見は麻痺像,重症度とよく一致していた.外傷性脊髄空洞症が17名-8.7%(頸髄損傷10名-8%,胸髄損傷7名-10%)に認められた.2髄節以上に広がるかまたは麻痺の神経根レベルより1.5髄節以上上向した病変で,T1強調画像で均一かつ境界鮮明な低信号,T2強調画像で高信号の空洞様の所見がある場合,外傷性脊髄空洞症の可能性が強く,経過観察を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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