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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床経験

硬膜外層のみの減張切開にて大後頭孔部減圧術を行ったChiari奇形合併の脊髄空洞症の1症例

著者: 井須豊彦1 佐々木寛2 後藤聡2 板本孝治2 高橋功2 牧野憲一2 鈴木望2 西原功2 高村春雄2

所属機関: 1釧路労災病院脳神経外科 2旭川赤十字病院脳神経外科

ページ範囲:P.1203 - P.1206

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 抄録:硬膜外層のみの減張切開にて,大後頭孔部減圧術を行い,良好な手術結果を得たChiari奇形合併の脊髄空洞症の1症例を経験したので報告した.症例は45歳,女性で約2年前より,咳,クシャミをすると右後頸部より右肩にかけて痛みが走るようになり,当科入院となる,入院時,①右上肢腱反射低下,②右側C2~Th6レベルの温痛触覚低下がみられ,MRIにて,Chiari奇形,脊髄空洞症(C2~Th6)と診断された.手術は,後頭下開頭術に加え,第1,2頸椎椎弓切除を施行し,大後頭孔部硬膜外層のみの減張切開を行った.術中超音波像にて大後頭孔部の減圧が十分であることを確認し,手術を終了した.術後1週目には,放散痛は消失し,知覚障害の改善がみられた.また,術後MRI(術後2週目)では,空洞は縮小しており,大後頭孔部の減圧が十分であることが診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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