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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻10号

1991年10月発行

文献概要

臨床経験

脳性麻痺児にみられた多発性骨癒合症の1例

著者: 二井英二1 横角健二1 原親弘1 山崎征治2

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.1217 - P.1220

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 抄録:多発性骨癒合症は,指骨,手根骨,足根骨,肘関節等に骨癒合のみられる先天性異常症である.今回我々は,13歳の痙直型脳性麻痺児で,第1中手骨の形成不全と手の大菱形骨舟状骨間,足の第2中足骨第2楔状骨間,および距骨踵骨間部に骨癒合がみられた多発性骨癒合症の1列を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.
 我々の調べ得た限りでは,本邦において現在までに多発性骨癒合症の報告は,Nievergelt syndromeまたはNievergelt-Pearlman syndromeを含めても計19例に過ぎず,極めて稀な疾患と思われた.また,多発性骨癒合症において頭蓋骨早期癒合症を伴う場合,精神発達遅滞がみられるとの報告は散見される.しかし,本症例のように,多発性骨癒合症に脳性麻痺などの中枢神経障害を伴ったものの報告は,我々の調べ得た限りでは,我々が報告した頭蓋骨早期癒合症であるCrouzon病を伴った症例のみであり,他に報告はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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