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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻11号

1991年11月発行

文献概要

論述

dysplasia epiphysealis capitis femorisについて―X線学的特徴を中心に

著者: 杉基嗣1 開地逸朗1 国司善彦1

所属機関: 1社会福祉法人鼓ヶ浦整肢学園・整形外科

ページ範囲:P.1235 - P.1243

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 抄録:dysplasia epiphysealis capitis femoris(以下,DECF)とペルテス病との鑑別のため4歳以下で,大腿骨中枢骨端核の変形を有する32例を対象としてX線学的検討を行った.DECFと診断したのは18例24股で,ペルテス病は22例23股で,両疾患の合併は両側骨端核に両疾患が同時に見られたのが8例,同一骨端核にDECFが先行したのち,ペルテス病を発症したのは1例であった.DECFのX線学的特徴は,初期には顆粒状の核や骨端核基底部に広がる濃縮像であり,経過とともに核表面の凹凸不整像や窪みなどを経て半球状へと短期間に改善していた.一方,ペルテス病群では若年例でも年長例と同様な経過を辿っており,両名は異なった範疇の疾患と考えられた.DECFは予後良好な疾患であり,前述したX線所見により鑑別することが治療上重要と考えられた.DECF例では核出現の遅延が見られ,MRIによる検索でも核の未熟性が推測され,DECFの背景として骨成熟の遅れが関与しているのではないかと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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