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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻11号

1991年11月発行

文献概要

臨床経験

長趾伸筋の偽腫瘍病変により深腓骨神経麻痺をきたした慢性関節リウマチの1症例

著者: 千福健夫1 福居顕宏1 前田昌巳1

所属機関: 1大三輪病院整形外科

ページ範囲:P.1293 - P.1296

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 抄録:慢性関節リウマチの経過中に長趾伸筋の腫瘍状腫大のため,深腓骨神経麻痺を生じた極めて稀な症例を経験したので報告する.
 症例は,63歳の女性で,30年来の慢性関節リウマチであるが,3カ月前から右下垂足をきたした.右下腿上部に腫大を認め,前脛骨筋,長母趾伸筋,長趾伸筋の著しい筋力低下を認めたが,その他の筋力,知覚には異常を認めなかった.CTで,右下腿前筋区画内に腫瘤像を認め,血管造影では,hypovascularであった.腫瘤摘出術を施行したところ長趾伸筋が腫大し,深腓骨神経を圧迫していた.切除腫瘤は筋膜に包まれ,変性萎縮した筋線維の遺残と多量の黄色粥状物から成っていた,組織学的には,フィブリノイド壊死であった.術後,下垂足は徐々に改善した.
 この筋病変の原因は不明であるが,慢性関節リウマチでは随所にフィブリノイド変性が生じることがあり,慢性関節リウマチとの関連性が疑われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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