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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻11号

1991年11月発行

文献概要

臨床経験

人工膝関節置換術後に生じた深部静脈血栓の1症例

著者: 中村幸夫1 鳥巣岳彦2 多治見新造2 内田六郎2 真角昭吾2

所属機関: 1東国東地域広域国保総合病院整形外科 2大分医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1317 - P.1320

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 抄録:四肢の手術では空気駆血帯は頻繁に使用されている.しかし稀ではあるが,合併症として静脈血栓を起こすことがあると報告されている.今回,両変形性膝関節に悩む78歳女性に対し,空気駆血帯使用下で左人工膝関節置換術を施行したところ,術後5日より患肢に腫脹を来し,3週目に静脈造影により深部静脈血栓と診断された1症例を経験した.静脈造影所見では鼠径部での大伏在静脈の途絶と側副血行路の発達を認め,駆血部の大腿静脈には造影剤の流入はみられなかった.静脈血栓症との診断後直ちにプロスタグランディン製剤の点滴静注を行い,投与後2週にて腫脹は著しく改善した.6週目の静脈造影では血栓はそのままであったが側副血行路は更に著明に発達していた.術後5カ月目の現在,軽度の腫脹は残存するが,肺塞栓の併発はなく,関節可動域も良好であり,ADLに支障はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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