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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻11号

1991年11月発行

文献概要

臨床経験

後腹膜腔に発生した神経鞘腫の1例

著者: 茶野徳宏1 斎藤潤1 石澤命仁1 松本圭司1 福田眞輔1 岡部英俊1

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科教室中検病理

ページ範囲:P.1329 - P.1332

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 抄録:後腹膜原発の良性神経鞘腫の報告は比較的稀で,それらも腹部外科および泌尿器科領域での報告が多く,整形外科にて治療されることは少ない.最近我々は,本腫瘍を経験したので報告する.症例は49歳女性で,約20年間の経過観察の後,手拳大に増大した後腹膜腫瘤と腫瘤圧迫による右下肢への放散痛のために,当科へ紹介された.臨床症状,CT等より神経鞘腫を疑い,摘出術を施行した.病理組織学的には,Antoni A/B型であったが,二次変性が強く,神経線維腫との鑑別を要した.当疾患が術前に診断されることは稀であるが,本症例では腫瘤圧迫による末梢への放散痛が特徴的であり,診断に役立った.また本症の様に腫瘍が巨大であった場合でも,超音波外科用吸引装置(CUSA)を使用して腫瘍容積を縮小すれば,発生母地の神経を可及的に温存することが可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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