icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻12号

1991年12月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

頸髄損傷麻痺肘に対するMoberg法による肘伸展機能再建術

著者: 平山隆三1 多田博1 三島令子1 竹光義治1 梅藤千秋2

所属機関: 1旭川医科大学整形外科教室 2森山病院整形外科

ページ範囲:P.1369 - P.1375

文献購入ページに移動
 抄録:頸髄損傷麻痺肘の肘伸展機能再建術につき適応,術式,術後成績,問題点につき検討した.症例は8例12肘で,年齢は18~44歳,男7例,女1例で,両側4例右3例左1例であった.術前,全例重力に抗しての自動伸展が不可能であった.術式はMoberg法に従い,三角筋後部筋を力源とし,足趾伸筋腱か,大腿筋膜を移植架橋腱として用いる肘伸展機能再建術を行った.術後経過観察期間は1~5年で,平均約2年であった.10肘に良好な結果を得,重力に抗しての肘自動伸展が可能となったが2例はfairであった.術前可能であった動作が術後不可能となった例はない.術後成績は術前の三角筋後部筋の筋力と術中の移行tensionによって決まり,tensionを強めにすることにより良好な結果を得た.上腕三頭筋の再建により,前腕回内位での肘自動伸展が可能となるだけでなく,肘関節の安定とリーチの拡大はADLに著明な機能改善をみた.肘の伸展機能再建術は頸髄損傷麻痺上肢の機能再建の第一歩と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら