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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻12号

1991年12月発行

文献概要

臨床経験

転移性脊髄髄内腫瘍の1治験例

著者: 布施謙三1 三河義弘1 長谷川徹1 今井弘子1 渡辺良1

所属機関: 1川崎医科大学整形外科

ページ範囲:P.1403 - P.1405

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 抄録:転移性髄内腫瘍は非常に稀であり,その発生率は転移性脊髄腫瘍全体の1~3%とされている.今回我々は単発性に生じた転移性脊髄髄内腫瘍の1例を経験した.症例は41歳の女性で,両下肢筋力低下およびしびれ感のため歩行困難となって来院した.初診時LIレベル以下の知覚鈍麻と下肢の筋力低下,排尿障害を認めた.MRIではTh12からL1レベル間で脊髄内に嚢胞状の腫瘍陰影を,ミエログラムではTh12椎体下1/3からL1椎体下1/3レベルで騎袴状の完全ブロックを認めた.Th11からL1までの椎弓切除を行い,脊髄を後方正中で切開したところ,嚢胞状の腫瘍を認めた.完全摘出不可能であったため除圧の目的で人工硬膜移植を行い,後方固定術を追加した.病理組織学的にはadenocarcinomaと診断された.手術後,排尿障害は消失,神経学的症状も軽快して独歩可能となった.本症例は硬膜移植及び後方の除圧が有効であったと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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