icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻12号

1991年12月発行

文献概要

臨床経験

初診時リンパ節転移を呈した骨肉腫の1症例

著者: 波呂浩孝1 川口智義1 松本誠一1 真鍋淳1 黒田浩司1 北原建彰1 神野哲也1

所属機関: 1癌研究会付属病院整形外科

ページ範囲:P.1415 - P.1418

文献購入ページに移動
 抄録:一般に骨肉腫の患者で,初診時画像にて転移ありと診断されるのは10~15%と言われている.しかしそのほとんどが肺転移であり,初診時リンパ節転移があるものは稀とされている.我々が検索し得た範囲では,初診時リンパ節転移の頻度は2%前後で,画像的に全例石灰化を伴ったリンパ節転移であった.今回の症例は石灰化を伴わないリンパ節転移であった.
 症例;17歳男性.左下腿腫瘤.血管造影・MRI・CTにて膝窩部にリンパ節の腫脹を認めた.術中ゲフリールにて転移と判明し,左大腿中央にて切断した.リンパ節郭清を追加し,鼡径部リンパ節にも骨肉腫の転移が認められた.骨肉腫のリンパ節転移についての要点は,以下の3点である.①患肢温存のlimiting factorである.②診断の契機はリンパ節の石灰化あるいは腫脹である.③診断にはMRI,CT,Angiographyが有用である.しかし,その確定診断には組織診断が不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら