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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻12号

1991年12月発行

文献概要

臨床経験

膝窩部滑液包内伏針の1例

著者: 岩村祐一12 今村清彦1 植松紘一1 酒井直隆1 大庭英雄1 石井雅義1

所属機関: 1横須賀共済病院整形外科 2現:横浜市立大学病院

ページ範囲:P.1429 - P.1431

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 抄録:縫い針が左膝前内方の関節裂隙より刺入折損し,関節外後方の膝窩部滑液包内に迷入した1例を経験したので報告する.症例は,62歳,女性で,主訴は左膝の疼痛および腫脹である.ひざまずこうとして絨毯に落ちていた縫い針を膝に刺して受傷した.その際,絨毯には折れた縫い針の先端部が落ちていた.近医受診時のX線では折れた縫い針の後ろ半分が左膝関節膝窩部に迷入しているのが認められた.手術時,膝窩筋と腓腹筋外側頭との間を鈍的に剥離すると,腓骨頭内側に淡赤色の滑液包が露呈し,その内部に折損した針が透けてみられた.滑液包に穴をあけ針を摘出した.滑液包はbursa m,popliteiと考えられ,本来膝関節腔と交通はないとされているが,膝関節の変性や老化現象により異常交通性が出現していたものと思われた.そのような滑液包に前方から刺入された針が迷入したという報告例はなく,非常に稀な例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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