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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻2号

1991年02月発行

文献概要

シンポジウム 先天性股関節脱臼に対する治療法の限界と展望

Ludloff法

著者: 池田威1 和田郁雄1 伊藤博一1 林信彦1 松井宣夫1 高井康男2

所属機関: 1名古屋市立大医学部整形外科学教室 2名古屋市立域西病院整形外科

ページ範囲:P.149 - P.155

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 抄録:先天性股関節脱臼の治療は乳児がその治療対象の主体となってきたため,その観血整復も侵襲の少ない内側皮切が選択されるようになった.われわれは,Salzer,Mauらにより発表されたLudloff皮切を用いて,整復障害因子はanterior tightnessであるとの考え方に基づいた観血的整復術を,1972年以降行ってきた.今回10年以上経過した50例57関節の治療成績を報告した.この方法は従来の関節唇を主体とした方法に比し,臼蓋の修復と求心性の獲得に利点が多いと考えられた.Severinのgroup Iは全体の24.6%で,group IIを含めると73.7%であった.既往の治療が術後成績にかなり影響を与えており,種々なる保存療法が行われたものの,成績は不良であった.補正手術は57関節中21関節36.8%にソルター手術を行った.先天股脱が減少し,難治例の割合が多くなった現状では手術適応範囲の若干の拡大も必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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