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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻2号

1991年02月発行

文献概要

臨床経験

小児多発性骨結核(BCG骨髄炎)の1例

著者: 藤田秀隆1 細野昇1 米延策雄1 江原宗平1 小野啓郎1 原田茂2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2結核予防会大阪病院整形外科

ページ範囲:P.207 - P.211

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 抄録:小児多発性骨結核の1例を報告する.患者は3歳,男児.背部痛にて発症し,単純X線で第1腰椎が均一に圧潰偏平化しており,好酸球性肉芽腫症または結核性骨病変が疑われた.胸部X線には肺結核の所見もなく,喀痰,胃液,尿培養でも結核菌を証明できず,鑑別診断のため生検を施行したが,HE染色による組織所見では両者の鑑別が依然として困難であった.そこで,酵素抗体法による染色を施行した.検体はリゾチーム染色,抗BCG抗体を用いた染色で強く染色され,S 100蛋白染色では,ほとんどの細胞が染色されなかったことより,免疫組織化学的には結核性病変と判定した.臨床的には,抗結核剤投与とともに急速に炎症所見は改善し,X線上,骨破壊所見も改善した.これらより,本疾患を多発性骨結核と診断した.更に,この患者には,BCG接種後の難治性皮膚炎の既往があることより,BCG接種後のBCG骨髄炎も疑われたので,それらに関する考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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