icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻3号

1991年03月発行

文献概要

臨床経験

Miller-Galante型人工膝関節膝蓋骨コンポーネント破損の1例

著者: 葛原啓1 城守国斗2 今井亮2 式田年晴3 須津富鵬3 山下文治3 平沢泰介3

所属機関: 1神戸海岸病院整形外科 2京都第一赤十字病院整形外科 3京都府立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.287 - P.290

文献購入ページに移動
 抄録:Miller-Galante型人工膝関節の膝蓋骨コンポーネント破損の1例を報告する.症例は67歳の男性で,身長159cm,体重85kgの肥満体である.両変形性膝関節症に対して左膝にM/G型人工膝関節置換術を行った.術後経過は順調であったが,術後2年目,特に誘因なく疼痛の出現と関節水腫を認め,X線像にて膝蓋骨コンポーネントHDP部分の脱転が認められた,手術時,膝関節内はコンポーネントの摩耗により,黒色の色素沈着が認められ,膝蓋骨コンポーネントはHDPとメタルバックの接着部で剥離し,大腿骨コンポーネントの外顆部も一部摩耗していた.本邦では,同じタイプの人工膝関節置換術が約7000例行われ,現在まで膝蓋骨コンポーネントが破損した症例の報告はないが,Galanteらは122例中12例に破損例を認めたと報告し,術後2年前後で,比較的年齢の若い,体重80kg以上の男性に破損例が多いことを報告した.今後,本邦において同様の合併症を生じる可能性があり,本人工関節施行例の注意深い術後経過の観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら