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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻3号

1991年03月発行

文献概要

臨床経験

転移性脊髄髄内腫瘍の1例

著者: 木下藤英1 松崎浩巳1 丸山公1 平良勝成1 鳥山貞宜1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.303 - P.306

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 抄録:悪性腫瘍の転移部位として脊椎や脊髄硬膜下腔はよくみられるが,脊髄髄内は稀である.今回,我々は上顎洞癌を原発として脊髄髄内に多発性転移を来した1例を経験したので報告する.症例は71歳,男性.主訴は腰痛である.1987年6月,上顎洞癌で当院耳鼻科で切除術,放射線療法を受けている.1988年12月頃,特に誘因なく腰痛出現,歩行障害も出現したため,1989年1月9日当科に入院した.入院時,両下肢筋力低下と知覚鈍麻がみられた,胸腰椎の単純X線像では異常を認めなかったが,脊髄造影像でTh12下縁以下での造影剤の途絶像を認め,MRIではTh12レベルの脊髄に境界不明瞭なhigh signal areaがみられた.2月6日手術施行.Th8からLIまでを椎弓切除後,硬膜を開いたところ,Th10~12レベルで3カ所に髄内腫瘍を認め,腫瘍切除術を行った.病理組織所見では原発巣と同様の扁平上皮癌の所見がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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