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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻3号

1991年03月発行

文献概要

臨床経験

肘関節離散状脱臼の1例

著者: 太田元1 大溪紀男1 荒木聰1 渡辺健太郎1

所属機関: 1加茂病院整形外科

ページ範囲:P.319 - P.321

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 抄録:小児肘関節離散状脱臼の1例を経験したので報告する.本脱臼は,divergent dislocationと呼ばれ,肘関節損傷の中では極めて稀である.過去の報告例の中で明確なX線像を提示しているのは,1981年DeLeeの報告以来4例しかなく,今回渉猟した範囲では,本邦での報告例は見られない.1890年Stimsonは,本脱臼を,antero-posterior typeとlateral typeに分類している.しかし,我々の症例やX線像を提示している過去の報告例を検討すると,橈尺骨が同方向へ脱臼するタイプの中にも本脱臼に含まれるものがあると考えられた.そこで筆者らは,それらをpostero-posterior typeとし,Stimsonの2つの分類に追加した.治療は原則として保存的治療であり,徒手整復不能な場合や神経・血管障害を合併している場合に限り観血的治療が行われる.本脱臼は,重度の肘関節損傷にもかかわらず,早期に整復すれば予後は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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