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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻3号

1991年03月発行

文献概要

臨床経験

脛骨に単発した骨Paget病の1例

著者: 松本智子1 秋山寛治1 大坪義正1 本川哲1 井上喜博1 群家則之2

所属機関: 1国立長崎中央病院整形外科 2群家病院整形外科

ページ範囲:P.323 - P.325

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 抄録:49歳,女性が,左下腿の彎曲変形を主訴に来院した.X線像では脛骨の前外方への彎曲と骨皮質の肥厚を認め,骨シンチでは脛骨全体に取り込みが増加していた.血液生化学的検査では,血清のアルカリフォスファターゼ値は軽度上昇していたが,他には特に異常を認めなかった.脛骨の骨生検像で骨髄に線維性結合組織を伴い,層状骨の骨梁は不規則でいわゆるモザイク構造を示していた.以上の結果より,脛骨に単発した骨Paget病であることがわかった.本疾患はわが国では稀とされているが,文献的に単発例の場合は脛骨に比較的多く見られる.しかし,本例のように,中年以後の女性の脛骨に単発した場合,下腿の内反変形があっても見過ごされている可能性もあり,このように長管骨の変形を来した場合には,念頭においておく必要のある疾患ではないかと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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