特集 主題I:Spinal Dysraphism/主題II:Pedicular Screwing(第19回日本脊椎外科学会より)
主題I:Spinal Dysraphism
neural spinal dysraphism―diastematomyelia, lipomeningoceleの診断と治療
著者:
北原宏1
渡部恒夫1
南昌平1
礒辺啓二郎1
中田好則1
望月真人1
高橋弦1
松本忠男1
大塚嘉則2
新井貞男2
所属機関:
1千葉大学医学部整形外科
2国療千葉東病院整形外科
ページ範囲:P.387 - P.399
文献購入ページに移動
抄録:neural spinal dysraphismのうち,diastematomyelia 8例と,lumbosacral lipomeningocele 14例の診断・治療法・結果につき検討した.診断には,orthopedic syndrome,cutaneous changes(hypertrichosis,skin dimple,hemangioma,tumor mass etc.),神経症状を参考に,X線では先天性側彎症,潜在性二分脊椎(spina bifida occulta)の有無を検索し,脊髄の検索には脊髄造影,CT,CT-myelography,MRIが必須である.diastematomyeliaの手術では,先天性側彎症の変形矯正に先立ち,骨性ないし線維性中隔を顕微鏡鏡視下に切除術を施行する.術後対麻痺の危険性があり,治療は慎重でなければならないが,高度変形になる例が多く,早期発見・治療が必要と考える.lipomeningoceleの症例で成長期,成人期に腰痛,神経症状の発現・悪化することがあり,手術適応となるが,手術はcordのuntetheringを第一義に考え,後根分岐の背側かつ尾側でlipomaを切離する.