特集 主題I:Spinal Dysraphism/主題II:Pedicular Screwing(第19回日本脊椎外科学会より)
主題II:Pedicular Screwing
腰仙椎部分離辷り症に対するposterior spinal instrumentationの生体力学的研究
著者:
白土修1
金田清志1
所属機関:
1北海道大学医学部整形外科学教室
2Johns Hopkins大学医学部整形外科
ページ範囲:P.435 - P.443
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抄録:腰仙椎部分離辷り症の手術的治療に使われる各種posterior spinal instrumentationの固定性を検討することを目的に,仔牛屍体脊柱を用いて,圧縮,屈曲,伸展,回旋の4種類の負荷による生体力学的研究を行った.腰仙椎部分離辷り症を模擬するために,仔牛L6両側椎間関節間部に欠損を作り,L5/6間の後方靱帯をすべて切除した.検討した群は,①Harrington dual distraction rods,②transpedicular C-D system with a transverse approximating device,③Steffee transpedicular screw and plate,④PLIF,⑤PLIFとC-Dの併用,⑥PLIFとSteffeeの併用,である.3椎間固定のHIは,圧縮を除くすべての荷重において最も不安定であった.PLIFの単独使用は,固定性をむしろ減少させる傾向にあり,instrumentationの併用が望ましいと思われた.transpedicular screw systemは,PLIF併用の有無に拘わらず,1椎間固定ながら最も大きい固定性を示した.