特集 主題I:Spinal Dysraphism/主題II:Pedicular Screwing(第19回日本脊椎外科学会より)
一般演題
os odontoideumによる環軸椎間不安定症に対するC1-2 transarticular screw fixation(Magerl)の使用経験
著者:
伊藤達雄1
杉木繁隆2
沼田仁成2
北野悟2
辻陽雄3
加藤義治3
米沢孝信3
所属機関:
1東京女子医科大学整形外科学教室
2高岡市民病院整形外科
3富山医科薬科大学整形外科
ページ範囲:P.515 - P.523
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抄録:os odontoideumによる環軸椎間不安定症は前後屈,左右化則屈,左右回旋などすべての方向に転位を生ずる可能性があり,固定方法ならびに術後管理に苦慮することが多い.Magerlの開発したC1-2 transarticular screw固定法は,後方からC2椎弓根を通して,環軸関節を貫通し,C1側塊へ螺子を両側性に挿入するものである.本法にBrooks法による椎弓間固定術を併用することにより全方向への十分な固定性を得られる.これらの全操作が後方展開のみで達成され,かつ神経組織の確認も出来,安全面での利点も大きい.重大な不安定性を有するos odontoideum 3例に対し,本術式を用いたが,良好な位置で十分な固定性を発揮し,全例に順調な骨癒合が得られ,極めて有効な術式であることが証明された.しかし環軸関節展開とスクリュー孔作製には手技上の困難な点があり,若干の工夫をつけ加え,本法の小経験を述べる.