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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻5号

1991年05月発行

文献概要

論述

胸腰椎移行部における脊髄・馬尾障害の検討―靱帯骨化症および椎間板障害例を対象として

著者: 重信恵一1 金田清志1 鐙邦芳1 橋本友幸1 藤谷正紀2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道整形外科記念病院

ページ範囲:P.565 - P.571

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 抄録:胸腰椎移行部(T10~L2)における圧迫性神経障害と神経放射線学的所見との関連につき,手術治療を行った40例(靱帯骨化症22例,椎間板障害18例)を対象にその障害様式と発現機序について検討した.主要障害高位は1椎間障害25例では,T10/11:10例,T11/12:8例,T12/L1:6例,L1/2:1例で多椎間障害は15例であった.T10/11レベルの障害では錐体路症状を示した例が多かった.T11/12レベル以下の障害では下肢腱反射の低下や筋力低下などの髄節性障害や馬尾障害により多彩な症状を呈するものもあった.また,脊髄円錐末端の脊椎レベルはT11/12,T12が1例ずつ,T12/L1:8例,L1:7例,L1/2:8例,L2:2例であった.同一の脊椎レベルであっても,種々の神経障害が生じる原因としては,①個体間で脊髄円錐高位が異なる,②解剖学的に脊髄,脊髄円錐,馬尾が近接して存在する,③変性疾患では多椎間での障害が多い,などが考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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