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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻5号

1991年05月発行

文献概要

論述

頸椎・胸椎靱帯骨化合併例の下肢症状に対する責任病巣決定について―神経学的診断を中心に

著者: 種市洋1 金田清志1 鐙邦芳1 倉上親治1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.579 - P.586

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 抄録:脊柱靱帯骨化症において画像診断上,頸髄,胸髄のいずれにも達する圧迫が認められた場合,下肢症状の責任病巣決定に難渋することがしばしばある.昭和47~62年までに当科において責任病巣決定に難渋した手術例17例の神経症状を分析し,責任病巣決定に際し,神経症候学的にいかなる点が重要であるかを検討した,責任病巣決定のためには頸髄での白質障害の有無を診断することが重要である.頸髄の白質障害を最もよく示唆するのは,錐体路障害に起因する上肢の運動障害(手指巧緻障害,手指の屈曲・伸展の素速い繰り返し運動の障害,finger escape sign)である.これが認められた場合は,たとえ下肢症状が上肢症状より明らかに重篤であっても責任病巣は頸髄とすべきである.また,高度な下肢痙性麻痺があるにもかかわらず,上肢には知覚障害と腱反射異常のみしか認められない場合は,責任病巣は胸髄と考えるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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