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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻5号

1991年05月発行

文献概要

論述

頸髄損傷の診断と治療―特にMRIと磁気刺激運動誘発電位(MEP)の有用性について

著者: 飯塚正1 巣山直人1 東博彦1

所属機関: 1埼玉医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.587 - P.593

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 抄録:最近7年間に当科で経験した頸髄損傷40例について調査した.治療法は全例保存療法から始め,頸椎不安定性や脊髄圧迫因子の残存する不全頸損など,病態に応じて固定,除圧固定および拡大術を選択した.Frankelの麻痺分類による改善度では,保存療法の18例で計11点(平均0.6点),観血療法の22例では計21点(平均1.0点)の改善が認められた.小児が3例(7.5%)あり,2例は非骨傷性例の完全頸損,他の1例は軽微の骨傷であったが,後に高度の後彎変形を来し矯正術を要し,軟部組織の柔軟性や成長という観点からも成人とは別の対処が必要であろう.超電導MRIを14例に施行し検討した結果,MRIによる脊髄画像変化(特に低信号領域)と麻痺の程度とはほぼ相関し,予後判定にも有用であることが示唆された.磁気刺激法運動誘発電位(MEP)も麻痺の程度を比較的良く反映し,非侵襲的な客観的運動機能評価法として有用であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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