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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻5号

1991年05月発行

文献概要

シンポジウム 先天性股関節脱臼に対する牽引療法―その方法と後療法を具体的に

先天股脱に対する牽引療法―その意義と我々のoverhead traction法

著者: 山田順亮1 伊藤茂彦1 山田義典1 高士昌三1 鎌田浩幸1

所属機関: 1社会保険中京病院整形外科

ページ範囲:P.605 - P.612

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 抄録:近年わが国の先天股脱はRB単独では処理し得ぬ難治例の占める比率が高くなりつつあり,それらの症例への対応のひとつとして牽引療法をとりあげた.牽引療法は先天股脱の関節包外整復障害因子を除去することにその意義があり,難治例にはまず第1義的に選択すべき方法であると考える.
 次に筆者が考案したOHT法について紹介した.この方法の特徴は,通常のOHT法のコースによって完全開排位となったところで牽引の重錘の重さを一気に0.5kg以下として児の膝関節の屈伸がある程度可能な状態として10日間ほど経過させ自然整復に導くというものである.結果はRB不成功例でも60%に自然整復が得られ,観血的整復術を要した例は25%のみであった、予後調査では大腿骨骨頭は87%が満足すべき状態であり,不可は1例もなかった.しかし臼蓋に対しては後になんらかの補正手術が必要となった例が,RB順調群よりも明らかに多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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