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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻6号

1991年06月発行

文献概要

論述

肩関節における退行変性に対する考察―肩峰下構成体を中心として

著者: 前田徹1 片岡正春1 木下賢三1 井形高明2

所属機関: 1徳島県立三好病院整形外科 2徳島大学医学部整形外科

ページ範囲:P.675 - P.681

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 抄録:中年以降の肩関節痛を訴え,軟X線を撮った320例,平均年齢62.0歳を対象とし,肩峰下構成体を中心とした肩関節の退行変性をenthesopathyとの関連より検討した.
 退行変性を示す代表的X線所見は,1)肩峰下滑液包の腫脹,2)腱板の石灰沈着,3)三角筋,烏口肩峰靱帯,腱板の付着部の骨性変化,4)第2肩関節の変形性関節症様変化であった.それぞれの平均年齢はこの順位で高くなり変性過程の推移を示唆した.肩関節の退行変性の基盤となる病態としてenthesopathyの関与は重要であるが,肩峰下構成体を中心とした以上のX線所見,特に骨性変化はenthesopathyを反映していると考えられた.手術時に摘出した烏口肩峰靱帯肩峰付着部の骨棘の組織標本でこれが確認できた.さらに変性の進むものでは変形性関節症様の変化が付加されることもわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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