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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻6号

1991年06月発行

文献概要

論述

投球骨折―上腕骨骨幹部骨折118例の分析

著者: 小川清久1 井口傑1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.683 - P.690

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 抄録:投球による上腕骨骨幹部骨折118例の受傷状況,骨折形態を分析し,以下のことが明らかとなった.1)通常ボールを握る機会が少ない競技者に好発するが,関節痛・上腕痛によって通常の投法を妨げられた場合や練習の中断期間があった場合には,選手層にも発生する.2)投球方法.球種.ポジション・使用球や,従来潜在的要因と考えられていた疲労・上腕の緊縛などと,骨折との直接的因果関係は無く,基本的な投球動作自体に骨折の危険性が内在している.3)受傷時期はacceleration phaseで,その中期が好発期であり,follow-through phaseやcock-up phaseに受傷することは無い.4)生じる骨折の高位と近・遠位端の周径上の位置は様々であるが,基本型は例外無く外旋型螺旋骨折である.内旋型螺旋骨折が非常に稀な状況下に生じる可能性を完全には否定し得ないが,通常生じる投球骨折の形態は外旋型螺旋骨折のみであり,発生に関与する主な因子は全例に共通している,と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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