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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻6号

1991年06月発行

文献概要

シンポジウム 悪性骨軟部腫瘍への挑戦

動注療法

著者: 武内章二1 佐藤正夫1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科

ページ範囲:P.731 - P.740

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 抄録:動注療法の目的は,投与経路をより合理的にして,治療効果を高めようとするものである.1968年以来,我々は四肢悪性骨軟部腫瘍138症例に対して,生検診断の時点から抗癌剤の術前持続動注療法を中心としたtargeting chemotherapyにより,局所腫瘍および肺栓塞細胞や微細転移巣の増殖を鎮静化した上で,切・離断術あるいは患肢温存手術を施行してきた.
 我々が動注療法を導入し,系統的化学療法を開始した1968年を境として,5年生存率についての治療成績を検討すると,骨肉腫症例では1968年以前は22.5%,1968年以降1984年までは50.2%,さらに,患肢温存手術を考慮した化学療法が行われた1985年以降では61.0%と明らかな治療成績の向上が得られた.また,悪性軟部腫瘍でも動注療法併用群は82.3%,非併用群は36.7%と明らかな有意差で術前動注療法の有効性がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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