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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻6号

1991年06月発行

文献概要

シンポジウム 悪性骨軟部腫瘍への挑戦

速中性子線による骨・軟部腫瘍の治療

著者: 恒元博1 森田新六1 中野隆司1 佐藤真一郎1

所属機関: 1放射線医学総合研究所・病院部

ページ範囲:P.749 - P.754

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 抄録:速中性子線は,線エネルギー賦与が高い粒子線(高LET)であり,X線と比較して酸素増感比(OER)が低く,細胞の放射線損傷回復を阻害する等の特徴がある.速中性子線はこれまでに,唾液腺癌,パンコースト腫瘍,前立腺癌,骨・軟部肉腫に著効を示すことが分った.
 放射線医学総合研究所(放医研)では,1975年11月から速中性子線による治療を始め,1989年までに78例の骨肉腫と105例の軟部肉腫症例が速中性子線治療を受けた.これらの症例のうち,根治放射線治療を受けた骨肉腫39例の局所制御率は86%,5年生存率は51%であった.同様に,軟部肉腫72例について根治照射が行われ,速中性子線単独治療により28.5%の局所制御が得られ,術前照射と術後照射による局所制御率は,それぞれ81.8%,76%であった.軟部肉腫の治療について,速中性子線の術前照射は,機能温存を重視する治療としてすすめられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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