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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻6号

1991年06月発行

文献概要

シンポジウム 悪性骨軟部腫瘍への挑戦

陽子線治療法

著者: 辻井博彦1 辻比呂志1

所属機関: 1筑波大学陽子線医学利用研究センター

ページ範囲:P.755 - P.759

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 抄録:骨・軟部腫瘍の治療の原則は手術切除である.しかし,手術単独で治癒を目指すためにはどうしても拡大手術を必要とする場合が多く,これはQOLの面で問題がある.これからの時代は,形態・機能保存療法を開発することが社会的要請で,そのためには手術は出来るだけ保存的であることが望ましい.保存手術の問題点は再発率が高いことで,それを押えるため放射線の併用が必要となる.陽子線は,各種放射線の中では最も線量分布が優れているため,これ単独あるいは保存手術と併用して大きな成果が期待できる.事実,陽子線は欧米で頭蓋内および脊髄近傍の骨・軟部腫瘍に用いられ,その有用性が実証されている,これ以外に,陽子線が有用であると思われる部位には,後腹膜腔,胸腔,および骨盤腔など,従来の放射線では安全性の面で十分な照射が困難であった部位が挙げられ,今後の研究に期待が寄せられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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