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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻6号

1991年06月発行

文献概要

臨床経験

距骨紛失を伴う開放性距骨完全脱臼(missing talus)の2例

著者: 平泉裕1 原徹也2 高橋雅足2 前広進2

所属機関: 1昭和大学医学部整形外科 2東京都立広尾病院整形外科

ページ範囲:P.773 - P.776

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 抄録:非常に稀な,距骨紛失を伴う開放性距骨完全脱臼の2例に対し,異なる治療法を経験した.症例1は20歳,男性で,オートバイ事故により右足部を内反,内転,底屈強制され,距骨開放性完全脱臼が生じ距骨を紛失した.3時間後に距骨が発見され,デブリードマン後直ちに解剖学的位置に戻された.創は治癒し,荷重開始後に阻血性壊死が生じたため一時免荷を要したが,1年後には歩行時痛が消失し,原職に復帰した.症例2は26歳,男性で,右足部を症例1と同様の機転で受傷した.紛失した距骨は3日後に発見されたが整復せず,創が治癒した2ヵ月後に脛骨に踵骨の接触面で荷重を開始した.しかし,疼痛と変形性関節症様の変化を生じたため関節固定術を施行.4cmの脚長差のため補高靴を要するが歩行時の疼痛はなく,機能的には良好である.距骨を温存するためには超早期の観血的整復術が必要であるが,どちらの治療法も機能的には良好な術後成績が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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