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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻7号

1991年07月発行

文献概要

論述

原発性中心性軟骨肉腫の10例―そのX線診断の困難性について

著者: 伊崎寿之1 花岡英弥1 矢部啓夫1 入久巳2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2慶應義塾大学医学部中検病理

ページ範囲:P.799 - P.804

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 抄録:原発性中心性軟骨肉腫の画像診断はかなり困難で,このため初期治療方針に苦慮することが多い.当院を受診した軟骨肉腫患者22例中10例の原発性中心性軟骨肉腫について検討するとX線診断でfirst choiceとしてあげた診断名は軟骨肉腫4例,線維性骨異形成症3例,内軟骨腫・骨巨細胞腫・骨肉腫各1例と診断率は低かった.理由として良性腫瘍と診断した4例は境界が割合と明瞭で骨皮質が保たれ,膨隆がないか,あっても軽度で,石灰化も良性を思わせる像で,更に一見すりガラス様陰影を呈した例もあったことなどであった.一方,病理診断はこれと比較して容易であった.
 初回手術はそれまでに診断のついた7例は広範囲切除術以上を試みたが,他の3例は掻爬・骨移植術を施行した.X線診断上良性と思われる腫瘍でも中心性軟骨肉腫などの存在を認識し,術前に生検を含めた十分な検索を行うことが必要であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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