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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻7号

1991年07月発行

文献概要

論述

神経根伝導速度(Nerve Root Conduction Velocity)を用いた腰仙部神経根障害の電気生理学的評価

著者: 千葉英史12 嶋田隆夫12 竹谷英之12 神谷敬一郎12 井村慎一12

所属機関: 1福井医科大学整形外科 2聖マリアンナ医科大学整形外科

ページ範囲:P.823 - P.829

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 抄録:腰部神経根障害において高位診断や障害程度の把握が困難な場合,定量的評価法があれば有用である.そこで誘発神経根電位に基づく神経根伝導速度NRCVを測定し臨床所見,画像診断と比較した.腰椎椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症など30例65神経根を対象に,術中腓骨神経あるいは脛骨神経を刺激し,神経根上の2点より導出した誘発電位の頂点潜時差と距離からNRCVを算出した.神経根を臨床症状・所見と画像所見が一致するA群,自覚症状あるいは画像所見のみ認めるB群,所見のないC群に分類しNRCVを比較するとA群,B群の順にC群に比し有意(P<0.001)に遅延していた.また手術時の神経根の状態によるNRCVの変化や術後の症状回復期間との関係を調べると,NRCVは癒着,発赤腫大した神経根では所見のないものより遅延し,40m/secより速いNRCVを呈した神経根の術後症状回復は良好な傾向を示した.NRCVの遅延は神経根障害の有用な客観的評価法と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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