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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻8号

1991年08月発行

文献概要

論述

褥瘡再建の基本方針

著者: 山本有平1 松野誠夫2 小熊忠教2 大野和則2 大浦武彦3 杉原平樹3 吉田哲憲3 井川浩晴3 築島健3

所属機関: 1美唄労災病院形成外科 2美唄労災病院整形外科 3北海道大学医学部形成外科教室

ページ範囲:P.911 - P.918

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 抄録:脊髄損傷患者における仙骨部と坐骨部の褥瘡再建に対する基本方針を述べた.周囲の皮膚や皮下組織に十分余裕がある場合は単純縫縮を行い,余裕がない場合に何らかの皮弁を施行する.皮膚欠損が主体である場合が多い仙骨部の褥瘡には筋膜皮弁を選択する.皮下軟部組織の欠損が主体である場合が多い坐骨部の褥瘡には,皮下軟部組織のボリュームを再建し,死腔を消失させるため,筋膜皮弁に加え筋弁,筋皮弁を使用する.将来の褥瘡再発に備え,皮弁の栄養血管(動脈系)を十分把握したうえで,他の皮弁が犠牲にならないように皮弁の選択順位を決めている.必要であるならエクスパンダーや遊離皮弁も考慮する.再建外科医として褥瘡再建について述べたが,褥瘡の再発の最大の要因は,社会復帰後の患者および看護人の再発予防への自覚であり,そのことを医師として積極的に指導していくことが褥瘡治療には重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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