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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻8号

1991年08月発行

文献概要

論述

自傷行為による手関節部損傷

著者: 根本孝一1 柳田雅明1 久場川哲二2 根本哲夫3 長沢正彦3 浜野恭之4 曽根清明5 足立秀6 鈴木克侍7

所属機関: 1国立栃木病院整形外科 2国立栃木病院精神神経科 3芳賀赤十字病院整形外科 4済生会宇都宮病院整形外科 5済生会宇都宮病院形成外科 6大田原赤十字病院整形外科 7佐野厚生病院整形外科

ページ範囲:P.919 - P.924

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 抄録:1982年から1990年までに経験した25例を検討した.男13例,女12例,平均28.9歳であり,右5例,左19例,両側1例であった.損傷手段は,全例とも鋭利な刃物であった.精神障害のある者は7例で,精神分裂病5例,うつ病2例であった.損傷は,皮膚皮下組織のみの損傷13例,深部組織に達する損傷12例であり,手関節の橈掌側に多かった.「ためらい傷」を8例に認めた.創は鋭的であり,創治癒の条件は一般的に良好であった.深部に達する損傷は,精神障害者に多かった.手術方針として,腱は長掌筋腱以外可及的にすべて,神経はすべて,動脈は桟骨動脈と尺骨動脈の内1つ以上を修復した.
 治療には,救命救急処置のほか,精神障害の鑑別と社会的背景の把握が重要である.精神障害者では,初診時から精神科医の併診が不可欠であり,精神医学的治療が,手の機能回復を左右した.非精神障害者では,手の機能回復は一般に良好であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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