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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻8号

1991年08月発行

文献概要

臨床経験

5歳のレックリングハウゼン病患者にみられた高度後側彎症の治療経験

著者: 舟崎裕記1 司馬立1 近藤秀丸1 本間玄規1 井ノ口雅貴1 林克章1 山下和郎1 室田景久1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.957 - P.961

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 抄録:5歳,女児のレックリングハウゼン病患者にみられた高度後側彎症に対して,手術的治療を行った.本症例はdystrophic typeの左胸椎後側彎を呈し,側彎は128°,後彎は62°であったが,神経学的異常所見は観察されなかった.Halo-pelvic牽引による矯正後,まず後方よりLuque instrumentationによる固定術を施行,6週後に血管柄付腓骨移植による前方固定術を追加した.肋間神経はneurofibromaによって置換され,肋骨は著しく菲薄化しており,病理組織学的にも腫瘍が肋骨骨髄内に浸潤している像が確認された.術後1年6ヵ月の現在,側彎は67°,後彎は45°に矯正され,correctionlossも認められていない.5歳児で,neurofibromaが脊椎や肋骨の周囲に認められた事実から本疾患の脊柱や肋骨変形の発生には腫瘍の発育が関与していることが示唆された.また,若年者の高度脊柱変形に対しては前方および後方からの固定術が必要と思われ,前方固定には血管柄付骨移植が有効と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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